2008年2月21日木曜日

年金倒産 

最近、自分が払う「権利に対する投資」にはかなり注意しなければいけないと改めて思わせられる話が多い。保険や年金、税金などは支出に対する対価を一定期間を置いてから実感できるものだったり、間接的にその恩恵を受けたりなど様々だ。権利に対する投資の仕組み及び商品の多様化や、社会の高齢化による被保険者への支払い額増加などにより「隠れた」系のお金が増えている気がする。

日本では60年代に厚生年金基金ができた。これは国民年金と厚生年金以外に、年金をより有利にしようと設立されたものだ。基金に加入し、退職後の生活を豊かにする目的があった。これは「三階建て年金構造」と呼ばれ仕組みを家に例え、1階に国民年金、2階建てに厚生年金や共済年金、そして贅沢をしたいなら3階も立てようという事で構成年金基金が乗る。もちろん2階建ての家より3階建ての家のほうが老後に豊かな暮らしができる仕組みだ。さらに最上階にある年金基金はその運用の効率化を図るために、2階にある厚生年金の一部を代行して運用できる。
もし企業が贅沢をする余裕がなく従業員に3階を建てる制度をなくす場合、3階で運用していた厚生年金は全て2階に戻さなければならない決まりがある。しかし負債額の多い企業はここで年金倒産が発生する。2階に返済する厚生年金を作るために銀行からの借金や資産売却で補おうとする。それでも無理な企業は倒産となる。ある企業が年金倒産をした場合、競合他社が有利になるという事にはならない。それはなぜかというと、基金は同業者で連帯運用するからだ。
兵庫県乗用自動車厚生年金基金は2006年1月に解散した。タクシードライバーの高齢化により支給額は増加し新たな人材確保も難しく、バブル崩壊後は運用利回りも低迷した。低金利政策も一因であるとされる。このままで行くと連鎖倒産もありえるらしい。
解散後、厚生年金に代行額を返済した上で残る残余財産は被保険者に分配されるはずが、企業が横取りするケースもある。

おいしいところだけを思い描いて将来へ投資するのは危険だと言う事がすごくわかる例だ。でもマーケティングはその心理をついた戦略が少なくない。というかほとんどそうか。大事なのは将来のお金は年数が増えれば増えるほどリスクがつき現在価値が下がるということかな。今ipod classicの補償期間を1年から2年に延ばすApplecare Protection planを購入検討中・・・appleがなんで¥7,140にしたのかが気になるなー。


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