2008年1月18日金曜日

大きな病気には使えない日本の医療保険

病気にかかった際、診療にかかる費用の一部は保険が適用されている。そして診療費のおよそ3割は自己負担となる。しかし、この保険が全く適用されず、診療費の全額を患者が負担しなければいけないケースもある。それが保険外診療を併用する混合診療だ。
通常は
●健康保険+自己負担額=診療費 
となるが、
●健康保険+自己負担額+保険外診療=診療費 
となる場合は患者が診療費全てを自己負担する事になる。

この保険外診療の中には「選定養療」と「高度先進医療」の2種類があり、前者が差額ベッド(個室ベッド)などで後者が先端医療などの特別な技術や薬を使うタイプがある。

例えば抗がん剤などは保険適用を尽くしても効果がない場合があり、新しい薬を試す事もある。しかしこれは保険外診療の「選定養療」に入るので、とたんに診療費全額が患者の負担となってしまい、診療続行が経済的に不可能になる事も。

そんなのひどすぎる!と一瞬思うが、この保険外診療は以下の点で制度化されたものなのだ。

●保険外診療の枠をなくすと、厚生省による確認がされてない医療技術や薬、材料等の使用が横行する恐れがある。

●医者が不必要に高額の診療を患者に負担させる恐れがある。

●医療を受ける際、経済格差が出てきてしまう。

これらを防ぐためにも混合診療はまだ認められていないが、現在「保険外併用療養費制度」という新しい保険外診療の枠を広げるものが検討されている。
なお、有効な薬であっても使用許可が下りるまでの時間の長さもかなり長く、問題の一つとなっている。


経済格差が生む教育格差があるように、ある業界のサービス供給者の利潤追求が結果的に需要者の間に格差を生むのかな。そのサービスを構成する要素に未確認の存在が多いと制度を管理するのが格段に難しくなるんだな・・・



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